オルトフォン、音工房
ライントランス・トランス・ウエスタン・音工房


        ウエスタン         ウエスタン、音工房 

  ウエスタンには米国ウエスタン、英国ウエスタン、ノーザンウエスタン(カナダ)と関連企業
  
IPC、Langevin、DUKANE(米国)があり、ウエスタンのアンプ、トランス、関連を製作。
  音作りは共通しています。本業は電話、送信機など電信機器の企業。米国
AT&T の傘下。

  ウエスタンの
1930〜40 年代のアンプ用トランスはコアにパーマロイを初めて取り入れ音質
  を劇的に変えたと言われています。まだ、電信電話がそれほど普及していない時代にです。
  
これは電話での声を聴きやすくするためです
  
パーマロイとは純鉄とニッケルの合金で磁力が大幅に強化されます

  ウエスタンの
1930 年以前の送信用トランスもパーマロイではありませんが’まんじゅう型’
  トランスに代表されるように最高の音質が得られます。
  後に開発された劇場用のスピーカーや有名な
300B の 86 アンプや 91 アンプもしかり。
  ケーブルに至っては
100種類を超える数があって、仕様もエナメル単線や綿巻き、絹巻被服、
  オイル仕上げなど音質にこだわったものまであります。

  当時は音の特性などと言う概念はなく、
耳で聞きとれる範囲の 1000〜8000Hz 程度の中域の
  音声を電信で
聴きとりやすくするのが目的で設計されていました
90 年前のものを現在の
  オーディオで使うと音質が激変するのは’
音作りは特性ではない’ことを証明しています。
  
国産では唯一’カンノ’のトランスはウエスタンの素材を分子レベルまで解析して作られたと
  言われていて音はウエスタンに酷似しています。

  
1.WE-555 スピーカー 

   
 1930年前後に設計されたWE-555 は商業用として劇場などで音声を遠くへ飛ばすために
    使われた音質の特性とは無縁のスピーカーです。ウエスタンの音質はこの
WE-555に代表
    され、ペットやサックスの生々しい驚愕の音を再現しています。
    
12A、22A、31A などのホーンとSPセットを合わせるとモノラルで数百万円します。
    高価で入手できませんが、その音を一度聞くといかなるオーディオも陳腐に見えます。

  
2.WE-300B 出力管のアンプ

    アンプの音質は真空管で変わりますが、それ以上に入力、出力トランスで左右されます。
    市販されている
300B アンプは真空管は中国製、入出力トランスは特性を重視した国産
    トランスを使っているため痩せた音になり本来の
300B とはかけ離れた音質。
    
WE86 や WE91アンプ(いずれも 300Bpp )はペアで5〜800 万円で取引されています。
    あまりにも高価で一部では
ALTEC-1570B で代用されています。

  
3.WE トランス

    
618B に代表されるウエスタンの昇圧トランスは音質が良いことで有名ですが、シールド
    が弱いトランスが多くハムに悩まされます。選択に要注意。
    ライントランス(
ウエスタンは REP トランスと言う)は昇圧が無いのでハムは出ません。
    
WE-111C、101、91,93、94に代表されるライントランスでアンプの音質は激変。
    
WE-4001、76A、77A など電信用トランス(まんじゅう型)は最高の音質。
    ウエスタンのトランスも種類が多く全てがライントランスとして使えるとは限りません
    中には音質の悪いトランスもありますので
トランスの選定には要注意

  
4.DUKANE トランス

    
DUKANE はウエスタンの子会社でウエスタンのアンプ、トランスなども製作。
    主に劇場、放送局など業務用音響機器を開発していた企業です。
音質は本家のWEと同じ
    昇圧トランス
3A25,3A55ライントランス 3A230,3A80 など 3Aシリーズはもともと
    アンプのインプットトランス。
WE純正と同じ音質で体が包み込まれるような音場感
    ウエスタンと共通しているのは中低域の奥行きが深く、刺激的でなく音場感豊か。

  
5.WE ケーブル  

    スピーカー及びラインケーブルはウエスタンの
ブラックエナメル単線が最も音質が良く
    
ウエスタンのアンプの線材として使われていました。
    市販の撚線とは’楽器の定位、音場感’が全く違います。
    
ビンテージサウンドを実現するにはこのWEケーブルと前述のトランス類を使えば
    可能となります。