オルトフォン、音工房
MCノカートリッジ・オルトフォン・音工房

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オルトフォンのカートリッジは音質が良いことで有名ですが、国産各社のカートリッジと比較しても
音作りの基本が全く違っているのがわかります。国産のカートリッジは特性志向で振動系の軽量化
走る音作りで各社全てに共通。音が硬く、細く、高域方向に伸びているのが特徴です。
一方、オルトフォンは音が柔らかく響きがありこれを基本に音場を作り出しています。

デンマークのオルトフォンは
1951年にA・ピーターセンとA・ポールセンによって設立。
SPU は’Stereo Pick Up’の頭文字から取ったと言われています。
1950 年代から製作、販売されていますが国内では販売代理店の名称で時代を表しています。
オーディオニクス(ニクス)→ハーマンインターナショナル(ハーマン)→オルトフォンジャパン

1948年:
SPU の原型 Type-A、-B、-C のMCモノラル
1951年:
Ortofon A/S を設立
1953年:トーンアーム
A212開発
1955年:オーディオニクス代理店
1957年:
Type-C の発展型 CG25D、CA25D 各MCモノラル
1959年:
SPU-G(E)、SPU-A(E)、SPU-GT(E)
1970年:ハーマンインターナショナル代理店
1976年:
MC20,ヘッドアンプ MCA76開発
1981年:
SPU Gold-GE、AE、 トーンアームSMG212開発
1987年:オルトフォンジャパン設立
      
SPU Classic-G(E)、A(E)
1989年:
SPU Reference-GE、AE
      
SPU Mono
1992年:
SPU Meister-GE、AE
1996年:
SPU Meister Sylver-GE、AE
      
SPU CG(A)25Di
1998年:
SPU Royal-GE、AE
2003年:
SPU 85 Anniversary
2005年:
SPU Synergy-GE
2008年:
SPU 90 Anniversary
2014年:
SPU 95 Anniversary
2016年:
SPU #1S(E)
2017年:
SPU Wood-A
2018年:
SPU Century
2021年:
SPU Ethos

     *SPU Classicシリーズ

1.初期型 SPU の音質

   SPU-G(E)、SPU-A(E)、CG25D、CA25D

   オーディオニクス、ハーマンインターナショナル時代の
SPU は経年でかなり使い込まれた
   ものになりますが、完動品であればその音質は他に類を見ないような音場感豊かで中低域の
   響きは逸品。
60 年経過しているためダンパーの劣化や針先の摩耗も見られ選別が必要です。

2.SPU-Gold 以降の新機構の音質

   SPU Gold、SPU Reference、SPU Meister、SPU Royal
   
SPU Synergy、SPU Wood、SPU Century、SPU Ethos

   伝統的なアルミカンチレバーとネオジュームマグネット、新規の磁気回路高純度銅線、
   シバタ針などの新機構採用で従来の
SPU とは異なる次元の音質を作り出しています。
   伝統的な中低域はさらに奥深く音場感を持って、高域は旧型より伸びが良く最近の
   デジタルレコードも録音の差がはっきりと聞き取れるほど解像度が上がります。
   生演奏の再現とはこのことです。
   SPU Synergy 以降のSPUは近年の特性重視の傾向がみられ本来の豊満な中低域が若干
   薄れています。試聴で注意を要します。


3.SPU-Classic シリーズの音質

   SPU Classic-G(E)、A(E)、SPU Mono、SPU #1S(E)

   
SPU Classicは初期型 SPU を再現する目的で設備なども同じものを使って開発されたもの
   ですが発売当初から評判が悪く音質はイマイチでした。
   
SPU Mono、SPU #1S(E) は SPU Classic と同じ製品系列で音質も同等。
   エイジング
100時間以上で初期型 SPU の音質にかなり近づきます。