MCトランス,リピート(ライン)トランス,フォノイコライザー

                              MCトランス,リピート(ライン)トランス,フォノイコライザー

オーディオの音作りには音場感が重要で下記の5項目の定義(5感)から成り立ちます。
辞典によれば音場感とは「音像」が「定位」する場所をとりまく「空間の情報」のこと。聴き手に演奏会場の広さ
や立体感を感じさせる大きな要素となります。
1.広がり感 2.奥行き感 3.空気感 4.ホール感 5.ライブ感 
この5感は似ているようで微妙に違いがあり、どれが欠けても音場感に欠けます。
音の柔らかさを優先するのは音に奥行き感を出すための必須条件で、これをベースに硬さを調整していくのは比較的楽にできますが、その逆は不可能です。

1.広がり感
ステレオ盤では当たり前の話ですがモノラル盤でも同じ広がり感が要求されます。
50年代の初期のステレオでは技術的な点で中抜けの左右分離型の録音の盤が多く、左右からの音はよく分離しますが正面からの音が薄く違和感があります。この対策には音質を柔らかくすれば改善できます。
モノラル盤(主に50年代のジャズ、ボーカル)は音源が1点のため音の広がりはありませんが、疑似的に広がりを作り出せる。ステレオカートリッジで聞くと2倍程度に広がりが出る。また、奥行き感を出せばその分広がりも出ます。カートリッジでかなり変化。ジャズの広がりがあるモノラル再生はステレオよりも迫力と生々しさがあります。カートリッジの選択が重要。

2.奥行き感
平面的な音は長く聴いていると疲れてきます。引っ込む音、飛び出す音はSPとアンプの相性で決まってきますが入力側を変えることである程度対策できます。アナログではフォノイコライザー、トランスを変えると効果があります。また、ベルトドライブは音の響きが優れています。DD方式は響きが出ず音が平面的になります。いまだにベルトドライブに人気があるのはこのためです。奥行き感を出すにはいわゆる平面的なダンゴ状態の音から全ての楽器一つ一つの音を分離させて再生することです(
音源の分離)。
SPケーブル(単線)、アンプケーブル、フォノイコで変わってきます。最近の高価なOFCケーブルは高域特性を重視していますが平面的で、古いケーブルの方が音の分離の面でははるかに優れています。入手困難ですが。


3.空気感
空気感とは演奏会場の何とも言えない雰囲気を再現することです。拍手、ざわめき、静寂、楽器の音が伝わる生々しさなど。再生では最も難しいところです。空気感の再現には中低音の再生方法がかかわっています。単に低音がよく出る(ボンボン低温)のではなく、30〜50Hz近辺までズンと沈み込む感覚の微かな低音が必要になります。パワーアンプの馬力が関係します。また国産の特性が良いカートリッジでは”らしき”ものは出ても生の空気感は絶対に出ません。


4.ホール感
コンサートホールでクラッシックを聴くときのホールのざわめき、拍手の響き、楽器演奏の空気感などを再現することです。ジャズのビッグバンドもこれに相当します。
ホール感を出すにはレコードに含まれている残響を適度に引き出す必要があります。(適度の残響再生
この残響効果でそれぞれの楽器が柔らかく聞こえ距離感が出ます。これがホール感を増すことになります。
カートリッジの選択で再現できます。オルトフォンなどの響き、残響を出せるもの。

5.ライブ感
小編成のジャズ、ボーカルなど同じホールのざわめき、拍手の響き、楽器演奏の空気感でもクラシックのホール感とはまったく異なります。目の前で演奏している感じ、音が飛び出してくる感じが必要です。比較的響きと残響の無いもの。ボーカルはバックと同じ平面にならないこと。高域は伸ばさずに中域を重視。
ジャズのライブ感を出すにはこの残響は邪魔になります。残響を少なくするのがコツです。テナーサックスのつぶれ、かすれた低域の生々しい吹き出すような再生。
同じピアノ演奏でもクラッシックとジャズでは異なります。前者にはピアノの響き、コロコロ感が必要ですが、後者にはピアノのアタック感が必要です。
まったく違った表現を1つのシステムで再現するのは特性上できません。
きれいな音を出すのはそれほど難しくはありませんが、ホール感、ライブ感を出すのは相当の苦労が伴います。


  

前述した”音場感”を確認するには1.スピーカーが消えてなくなる音 2.一か月間継続して感動が消えない
ことである程度の確認はできます。音質が変化するだけではすぐに飽きて感動は続きません。

1.オーディオ装置選定の注意事項
新たにシステムを組むとすれば1)スピーカー2)プレーヤ3)カートリッジ4)パワーアンプ5)プリアンプの順番(音質を決定する順位)になります。高価な装置は良い音がするというのは間違いで、組み合わせを間違うと疲れる音、平凡な音になります。また、有名な装置を組み合わせても同じです。人それぞれ音の好みが違いますので目指している音を明確にしておくことが重要です。
ブランド志向の失敗とはメーカーの異なる装置を組み合わせるとそれぞれ設計思想が違うのでほとんど期待するような音は出ません。同一メーカーの装置で統一するとそのメーカーの設計した音は出ますがそれが好みの音とは限りません。ここにオーディオの難しさがあります。

2.試す価値があるもの
1)SPケーブルの交換・・・・・・・ 音の分離が変わります。空気感を出すには片側3m以下。
                  特性が良い国産、海外の7N、8Nケーブルは不可。材質が重要。
2)アームの交換・・・・・・・・・ 中低域分解能と音の響きが変わります。
3)カートリッジの交換・・・・・  音の性質が変わります。MC、MMの使い分け。
4)マットの交換・・・・・・・・・ 音の響きが変わります。想像以上の効果。紙質、カーボンが有効。
5)フォノイコライザーの交換・・・ 音の性質が変わります。クラッシク向き、ジャズ向きがあり。
                  外付けフォノイコが有効。アンプ内蔵のものは音が悪く不可。
6)MCトランスの交換・・・・・・ 音の性質が変わります。カートリッジとの相性が大。
7)リピート(ライン)トランスの利用・ 音の性質が劇的に変わります。国産トランスは論外で不可。