ライントランス         トーレンス,ライントランス

スピーカーから出てくる
 50〜100Hz 近辺のハム音(ノイズ)は全く嫌なものでその対策に
苦労します。アンプの電源トランスの”うなり”も似たようなノイズですが対策が異なります。
ウイキペディアによると”電磁波導体と衝突した際に電流となって、機器の回路内に電気的
ノイズ
として現れ、これがスピーカーに電気信号として流れて聞こえる音”と定義。
即ち、
AC100V 電源コードや電源トランスから電磁波が出てこれが原因のようです。

この電磁波を防ぐことがハム対策となります。プリ・パワーアンプ,フォノイコ,ヘッドアンプ
などのアンプ類、
CDプレーヤーや一部のレコードプレーヤーも電源コードと電源トランスを
抱えておりこれもノイズ源となります。
一方、
CD やレコードプレーヤーからスピーカーまでの音源ラインは微弱電流で電磁波の影響
を受けやすい。フォノケーブル、ラインケーブル、スピーカーケーブルなど。

この
電磁波を出す側(電源ライン)と受ける側(音源ライン)との戦いです。シールドがない
ラインケーブルを電源ケーブルや電源トランスに近づけるとハムが出ます。
対策としては受ける側に
シールドケーブルを使い”受けないようにする”ことが原則となりま
すが、ここで大きな問題が生じます。それは
音質と言う厄介な問題です。

市販ケーブルはシールド、伝送特性に優れていますが音質面では
90年前のケーブルにははるか
に劣ります。
理由はケーブル電線の材質です。特性が良いほど音が冷たく、細くなり潤いが無くなります。
ハム音は想像または予想もつかないことが原因の場合が多く、その究明には時間がかかります
過去には
6ケ月かかった事例もあります。

ハム発生源の確認方法

1.アンプでの確認

  1)プリ・パワーアンプとスピーカーのみ接続。ボリュームを上げていきハムを確認。
    
12 時の位置でハムが出るか。通常、音源試聴の位置は 9〜10時の場合
    古いアンプでは電源トランス周りのコンデンサーの劣化でハムが出やすい。

  2)電源ケーブルとラインケーブルが並行で重なっていないか確認。
    両ケーブルはできるだけ離す。又は平行ではなく直角に交差させる。

  3)スピーカーケーブルをシールドケーブルに交換してみる。
    電源ケーブルとスピーカーケーブルが並行で重なっていないか確認。

  4)電源
AC100V のとる位置を変えてみる。
  5)アンプの位置を少し変えてみる。
  6)電源プラグが
3P の場合 3P→2P 変換プラグを入れてみる。

2.外付けフォノイコでの確認
  1)外付けフォノイコのみをアンプに接続して確認。上記に準じて確認する。
  2)プリ・パワーアンプと離して確認。
  3)ラインケーブルを変えて確認。
  4)アース端子を指で触ってノイズが変わるか確認
    変わる場合はアンプにアース端子とつないで確認。

3.CD プレーヤーでの確認

  1)
アンプに CD プレーヤーのみ接続して確認
  2)プレーヤーの電源ケーブルとラインケーブルが並行で重なっていないか確認。
    両ケーブルはできるだけ離す。又は平行ではなく直角に交差させる。

  3)シールドケーブルを変えて確認。アンプと離して確認。
  4)アース端子を指で触ってハムが変わるか確認
    変わる場合は
CDプレーヤーのアース端子をアンプのアース端子につないで確認。

  5)電源プラグが
3P の場合 3P→2P 変換プラグを入れてみる。
  6)
CD の演奏で確認

4.レコードプレーヤーでの確認

  1)アンプのフォノ入力にプレーヤーのフォノケーブルを接続して確認。
    この時プレーヤーのアースケーブルは必ずアンプのアース端子に繋ぐ。
    
昇圧トランス、その他は必ず外しておく

  2)プレーヤーの電源ケーブルとフォノケーブルが並行で重なっていないか確認。
    両ケーブルはできるだけ離す。又は平行ではなく直角に交差させる。

  3)カートリッジ(MM)で確認。
  4)カートリッジ(
MC)で確認。
    昇圧トランスを入れて確認。
昇圧トランスはアンプ、CD、フォノイコから離す
    昇圧トランスはハムを拾いやすいので機器の電源トランス、電源ケーブルから
    離す
。アンプの位置を少しずらす。

    昇圧トランスのアース端子を指で触ってハムが変わるか確認
    変わる場合は昇圧トランスのアース端子をアンプのアース端子につないで確認。

    レコードの演奏で確認。
    アームを触るとハムが出る。→アームのアース不良。
    
ラインケーブルのシールドが弱くハムが出る場合がある。ケーブル交換で確認。
     (昇圧トランス〜アンプ間、プリ〜パワーアンプ間、フォノイコ〜アンプ間など)

5.昇圧トランスでの確認

  1)プレーヤーのフォノケーブルをトランスに接続。シールドケーブルでトランスを
    
アンプに接続。トランスのアース端子とアンプのアース端子と接続して確認

  2)
アンプ類、CD、フォノイコ、電源ケーブル、電源トランス類から離して確認
  3)電源ケーブルとライン、フォノケーブルが並行で重なっていないか確認。
  4)ウエスタントランスはシールドが弱くハムが出やすい。


6.ライントランスでの確認

  1)
昇圧トランスと同じ手順で確認。通常、アース端子は付いていないので要注意。
  2)ウエスタントランスはシールドが弱くハムが出やすい。

7.その他のハムノイズ対策

  1)AC100V 電源に市販のノイズキラー(電源ノイズフィルター)を入れてみる。
    確率は小さいが効果が出る場合がある。また逆にこれが原因となる場合もある。
    
アンプ電源を 120V に昇圧している場合はハムが出やすい

  2)
アンプに外付け機器などを多数接続している場合、アースが回り込んでハムが出る
    場合がある。すべて外して確認する。


  3)ノイズ対策で電源部にアイソレーショントランスを入れているとこれがハムの原因
    となっている場合がある。外して確認。

  4)各装置の電源ケーブルの+−極性を変える(コンセントへの差し込みを逆にする)
    とハムが小さくなる場合がある。→差し込み口の長い方は(ー)短い方は(+)
    しかし、施工が正確かは不明。

  5)ラインケーブルのピンプラグが緩く、機器との接続で接触不良。またはケーブル、
    機器ともピンプラグに酸化被膜が乗り接触不良。→両方ともヤスリで研磨。

  6)
家電製品の電磁波でハムが出る場合がある

8.アンプ電源トランスの”うなり”ノイズ対策

  古いパワーアンプ又はプリメインアンプは電源トランスの共振対策のゴムが劣化して
  トランスの振動がシャーシーに伝わり共振を起こしてハムノイズと同じような異音が
  生じます。対策はトランスを止めているネジを外しトランスとシャーシーの間に厚手
  のゴムクッションを入れます。ゴムの固さによってノイズが変わります。








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