ライントランス          MCトランス,ライントランス

   ・・・ オーディオ装置の相談 ・・・

過去数十人の方から音質の悩みで相談を受けましたが、ほぼ同じ内容で音質を改善するため装置を変えたい
との要望。共通して言えるのは特性の違う往年の銘器と言われる装置をそのまま組み合わせたもの。
共通した悩みは


   1)楽器の定位が悪い(音がダンゴ状態)
   2)奥行き感がなく平面的な音
   3)しばらく聞くと疲れる
   4)感動がわかない。
   5)音が重い、きつい
   6)音にうるおいとしなやかさがない・・・・・・など。


経験的に想像すると出てくる音は拡声器や、いわゆる、チンドン屋に似た音です。
改善のために何かを変えて
音が変化すると音質が良くなったと思いがちですが、しばらくすると”?”
になりこの繰り返しが続きます。1か月間聞いて気持ちが変わらなければ本物ですが・・・・。

使っている装置は
ALTEC、JBL、タンノイ、マッキントッシュ、マランツ、GARRARD
THORENS、ORTOFON などいわゆる往年の銘機ですが、うまく鳴らないようです。
また、
国産アンプで欧州系のスピーカーを鳴らしてもうまく鳴りません。トランスが問題。 

   1)ALTEC は音が前面に出てきますが音の粒が荒く疲れる。
   2)
JBL はきれいな音ですが奥行き感が出ない。
   3)タンノイの中高域はしなやかですが低域が膨らんで抑えがきかない


例えば、
A5、A7 などは劇場用のスピーカーで音声を遠くに飛ばすのが目的で 15 m以上離れて聞く
ものです。オートグラフ もまた7~8m以上離れて聞くもので、低域処理も困難。
パラゴン、ハーツフィールドなどは設定が非常に困難で苦労します。

ブランド品はよい音が出るはず’という思い込み、’長年の夢で使ってみたい’という願望で使うのが
ほとんどですが、装置にはそれぞれ特性とくせがあり、これを理解しないと悲劇になります。
加えて古いアンプなどは素子の劣化が進み音が’なまり’ます。
好みの装置を手に入れて組み合わせても良い音が出るわけがありません

小編成のジャズを聴くのであればALTEC系のスピーカーを使えば音が前に出てきて残響が少なくライブ感
が出る。しかし、ジャズのビッグバンドやオーケストラをバックにしたボーカルは奥行き感と残響再生が
必要で音が前に出てくると困ります。クラシック用のセッティングも必要です。

クラシックを聴くのであれば欧州系のスピーカーを使えば奥行き感が出て都合がよい。よって、ジャズ用と
クラシック用の2つのスピーカーを持つ方が多くいます。

全ての装置は特性が良いほど’寒色系の音’になります。この音は’楽器の定位’’音場感’はある程度
出せますが’
音質の3要素’がありません。これが’感動がわかない音質’となります。
一聴すると高域、低域とも伸びが良くいわゆる’良い音’に聞こえます。しばらく聴いていると’?’。
周波数にしろ、ダイナミックレンジにしろ特性は数値化できますので評論家やメーカーにとって都合よく利用できます。
’高特性=
生演奏’ と誤解することが問題。評論家はメーカー側の立場です。
特性が良いほど高域が伸びて、反面最も重要な中域が痩せて聞こえます

音質の3要素とは’潤いがある’’温かみがある’’響きが良い’の3要素のことを言います。

最近の 6N、7N,8N など OFC ケーブルは特性は良いですが音質に音場感がありません
周波数特定は
 50~20,000Hz 以外の音は不要です。ケーブルもまた音が激変しますが、90 
以上前のウエスタンの方が’
潤い’と’温かみ’があり’音場感’が出ます。これは材質の問題です

アンプはブランドではなく出力トランスで音質が決まります。5万円のアンプと 50万円のアンプをめくら
で聞き比べた場合、違いは判りますが判定は困難です。アンプのトランスを変えるのは実質不可能ですので
ライントランスを使い音質を変えます
うまく調整できれば見違えるような音質になり、スピーカーが消えて無くなります。

1.試行錯誤の積み重ね

  過去
40年以上、数多くの装置を試聴または保有してきました。
  概略スピーカー:
30 種、アンプ:40 種、プレーヤー:43 種、カートリッジ:50 種に及び試聴。
  特にALTEC の業務用アンプに至っては
1500 シリーズ中心に 17種類全てを保有していました。
  当然、GARRARDTHORENS、マランツ、マッキン、ORTOFON などのブランド品も保有。
  評論家の記事を読んではショップを探し試聴を繰り返してきましたが、どれも満足できず、何かが
  おかしいことに気が付きました。
ブランド品は’良い音がするはず’と言う思い込みの間違い。機種を
  変えると音の傾向が変わりますのでその時は満足していますがしばらくすると’?’。

   
コンサートやライブに行って気づいたのは目的はこの’生演奏を再現すること’ではないか。
   オーディオでは ’スピーカーが消えてなくなる音’に相当します。
   
クラシック、ジャズを問わず左右スピーカーを含む目前の空間全体から音が出て、音場感があり
   楽器の定位がわかるオーディオの究極の状態。

   
音質の基準はあくまで’生演奏’、自己判断での音質ではありません。演奏会での音質を頭に
   入れて置かないと道を誤ります。システムだけをいじくりまわしても時間と金の無駄です。

  しかし、どの装置を組み合わせても実現せず。長年の試行錯誤で、今では試聴室でほぼ実現しています。
  要因は装置の組み合わせでなく全く別のところにありました。以降、
25 年間システム変更なし。
  どれかを変えると音質のバランスが壊れます。

2.音質の改善方法

  どのブランドにしても設計上、音の傾向は異なるもので、これを適当に組み合わせても良い結果が出る
  はずもない。必然的に目標の音質に近いスピーカーを選定しこれを中心にした組み合わせとなります。
  それでも下記’音場感’は出ませんので
微調整の繰り返しになります。

  
オーディオと生演奏との違いは圧倒的な’情報量’の差で、中でも主な’音場感’に行きつきます。
  音場感は1.広がり感 2.奥行き感 3.空気感 4.ホール感(クラシック) 5.ライブ感(ジャズ)
  に分解されます。

   1)広がり感:どの装置もステレオであればほぼ達成しているので問題なし。
   2)奥行き感:クラシックでは後方に、ジャズでは前方に音が出てきます。
   3)空気感 :最も難しい難題。会場の拍手、ざわめき、静寂のリアルさで判定。
          楽器の定位が明確になっているか。ダンゴ状態の音は不可。
   4)ホール感:クラシック特有のホールの残響再生で決まります。
   5)ライブ感:ジャズでは音が前面に飛び出してきますので過大な残響は大敵。

  
クラシックとジャズのセッティングの違いがこれでわかります。
  これらの要素に共通する
条件はそれぞれの’楽器の定位’が明確になっていることです。言い換える
  と演奏している位置(場所)が
明確に聞き取れることです。これが難題でほとんどが’ダンゴ状態’。
  この状態は装置自体では解決できません。’
定位’の解決策は別にあります。

3.録音の方式と特性の違い

  ジャズ、ボーカルでは
50~60 年代と 70 年代以降では録音の方式と特性が全く違い、
  その再生方法も必然的に異なります。

   
50~60 年代 録音帯域=30~15 KHz,ダイナミックレンジ60 db、モノラルが中心。
   
70 年代以降録音帯域=20~20 KHz,ダイナミックレンジ=98 db、ステレオが中心。

  年代の古いレコードと新しいレコードでは再生の仕方が異なるのが当たり前です。
  古いものは古いもので新しいものは新しいものでが鉄則。
  しかし、装置全体を2重に持つのは経済的に不可能で、カートリッジ(入力)とライントランス
  (出力)で調整するのがベスト。


4.自作のアンプ・スピーカー

  メーカー制作のアンプは
時間をかけ試作・試聴を繰り返して売れる商品として完成されています。
  また、仕様によって明確にソース対応がされています。
  これに比べ自作類の真空管アンプは一発勝負で作られたもので良いはずがない。これだけを見ても
  結論は明白です。出力トランス、増幅管、出力管、コンデンサーすべて音質が変わります。
  また、スピーカーユニットを自作の箱に入れる人もいますが、全く不可です。スピーカーの原理が
  分かっていない。音質を決めるのはスピーカーユニットではなく、微妙な箱鳴りです。
  箱鳴りが無いと音の響きが出ず、箱鳴りが多すぎると音がだぶつきます。
  箱の材質、板厚、容積で決まります。レコードプレーヤーについても同じことが言えます。

5.マルチアンプ方式

  マルチアンプはスピーカー内臓のネットワークを外し外付けでチャンネル分割してそれぞれアンプ
  で駆動する方式です。構造が複雑になり分割周波数とアンプ音質との組み合わせが無限になります。
  ’高特性=高音質=生演奏’と言う考え方でスピーカーの音質を変えようとするもの。
  相当の努力と忍耐が必要になります。音質を左右するのはスピーカーだけではないので音質よりも
  装置中心の世界と言えます。










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