オーディオ・アナログ


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アナログで音出しの先端にあるのがカートリッジですがその種類は千差万別、はいて捨てるほどあります。
コイルやカンチレバーの材質を手を変え品を変えて次から次に新しいものが出てきて、素材が銀線、OFC,8Nなど高特性をうたったものが氾濫していますが、この特性重視がどの程度音質に効果があるかははなはだ疑問です。国産カートリッジは画一的に音が細く、硬く、冷たい音でいくら特性を良くしても柔らかく、奥行きのある音にはなりません。特性が悪くても
音が柔らかいオルトフォンのようなカートリッジを作ってもらいたいものです”オルトフォンの音”を参照レコードレーベルでも音質の良し悪しがあります。。
音の柔らかさを優先するのは音に奥行き感を出すための必須条件で、これをベースに硬さを調整していくのは比較的楽にできますが、その逆は不可能です。
自分のシステムに合うカートリッジを見つけるにはある程度試行錯誤で変えてみる以外にありません。

1.クラシック用
大編成(オーケストラ)と小編成(室内楽)とでは音の再現に若干の違いがあります。前者ははホールの残響が大きく影響してこれが再生できないと平面的な薄っぺらな音になります。後者は楽器が少ないので残響再生はそれほど必要なく、弦楽器は少しきつめに聞こえます。

 1)オルトフォン:SPU-Gold以降のモデル。(リファレンス、マイスター、ロイヤル など)
          クラシック以前のモデルはダンパーが硬化して当時の甘い響きはありません。
 2)オルトフォン:MC-30、MC-20の初期型。小編成は後期型(S,Wなど)。
 3)SHURE:V15Type U、W(純正針)→ MC-20に似た音質。

特性を重視した最近のモデルは押しなべて音が細く硬い。20,000Hz以上の音を出すために材質を変え計測器では達成できてもその高域が最も重要な中域に悪影響しています。

2.ジャズ・ボーカル用
レコード録音の年代で再生方法が異なります。
50年代:帯域:30〜15KHz,ダイナミックレンジ:60db、モノラル、初期ステレオが中心。
70年代以降:帯域:20〜20KHz,ダイナミックレンジ:98db、ステレオが中心。

年代の古いレコードと新しいレコードでは再生の仕方が異なるのが当たり前です。古いものは古いもので新しいものは新しいものでが鉄則。
50〜60年代のレコードでジャズ、ボーカルを鳴らすには特性の良い近年のカートリッジは厳禁です。

 1)50年代のMONO盤
   ・SHURE:M7D(ステレオ針) サックス、ペットの再生は天下一品。JBL向き。
   ・GEバリレラ:トリプルプレイの1ミル針、シングルプレイは痩せた音。
   ・オルトフォン:CG25Di 昇圧する場合はトランスを厳選。

 2)70年代以降のステレオ盤
   ・オルトフォン:SPU-Gold以降のモデル。
   ・オルトフォン:MC-30、MC-20の後期型(S,Wなど)。Kontrapunkt-a,b,c
   ・SHURE:V15Type V(純正針)
   ・SHURE:M3D(ステレオ針)、システムによってはM7D。JBL向き。

カウントべーシーなどのビッグバンドの再生は小編成のジャズとは少し異なります。クラシックと同じホールでの残響がありこの再生に苦労します。弦楽器はなく、全てがブラス編成のため音の響きが全く違います。

3.情報の氾濫
オーディオ専門の雑誌などにある数多くの論評はメーカーの宣伝をそのまま掲載したもの、または売るための論評がほとんどで信用できません。データで高特性を謳ったものは特に注意が必要です。
特性が変わったものを聴くと先入観で音質が良くなったと思い込みます。しかし、10日ほど聞き込むとほとんどのカートリッジは感動が消えて”?”になります。
すべてのオーディオ装置は'60〜'80年代の古いものがはるかに音質に優れています。 当時は設計者が自分の耳でくりかえし確認して試作を重ね商品開発したので、そこにメーカー固有の音質が生まれています。プロやマニアが認めるところです。

4.針圧設定
カートリッジの針圧は型番で違いますが、その針圧で音が若干変化します。
 軽針圧:1.5〜2.0g(通常のカートリッジ)
 重針圧:3.0〜4.0g(オルトフォンSPU)
 重針圧:4.0〜6.0g(モノラルカートリッジ)
針圧が軽いと音の響きが良くなり、重いと締まった音になります。
新品のうちは既定の範囲で問題ありませんが、20〜30年経過した古いものはダンパーに硬化が見られ
針圧が軽いと音が割れる場合があります。基準より0.5g程度重くします