バリレラ、モノカートリッジ
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    シュアM3D,GEバリレラ,オルトフォン       シュアM3D,GEバリレラ,オルトフォン


アナログで音出しの先端にあるのがカートリッジですがその種類は千差万別、はいて捨てるほどあります。
コイルやカンチレバーの材質を手を変え品を変えて次から次に新しいものが出てきて、素材が銀線、OFC,
8Nなど高特性をうたったものが氾濫していますが、この特性重視がどの程度音質に効果があるかははなはだ
疑問です。国産カートリッジは特性志向に走るあまり、画一的に音が細く、硬く、冷たい音でいくら特性が
良くても
感動がわく音にはなりません。音場再現の面から説明の余地なく論外。

特性が良くなくても
オルトフォンのようなカートリッジを作ってもらいたいものです
 ’
オルトフォンの音’を参照

音質の3要素潤いがある’’温かみがある’’響きが良い’を持ち合わせるカートリッジは限られています。

音の柔らかさを優先するのは音に音場感を出すための必須条件です。
過去に国産カートリッジを20種程度試聴しましたがオルトフォンにかなうものはありませんでした。
  試聴した国産カートリッジ:
   DENON(8)、A.テクニカ(4)、FR(2)、SAEC(2)、YAMAHA(1)、
   SUPEX(1)、ENTRE(1)、MICRO(3)、SATIN(1)、GRACE(2)

自分のシステムに合うカートリッジを見つけるにはある程度試行錯誤で変えてみる以外にありません。
カートリッジはアンプよりも
スピーカーとの相性が優先されます。クラシックは欧州系、ジャズは米国系と
スピーカーの使い分けが一般的です。 クラシックとジャズでは音場感の中でも奥行き感、ホール感、ライブ感
が逆です
。このため
カートリッジを使い分ける必要があります。

MCカートリッジは昇圧トランス、ライントランスで音質が決まります
MMカートリッジはライントランスを入れると音質が大幅に変わります

1.クラシック用
大編成(オーケストラ)と小編成(室内楽)とでは音の再現に若干の違いがあります。前者ははホールの
残響
大きく影響してこれが再生できないと薄っぺらな音になります。後者は楽器が少ないので残響再生はそれほど
必要なく、弦楽器は少しきつめに聞こえます。
  推奨のカートリッジは以下。

 (1)通常のシステム
     ・オルトフォン:SPU、MC-30、MC-20の初期型。小編成は後期型(S,Wなど)。
     ・SHURE :V15Type U、W(純正針)→ MC-20に似た音質。
     ・SHURE :M3D → SPUに似た音質。
SPUより安くお勧め
 (2)
ハイグレードのシステム
      SPUゴールド以降のモデル(マイスター、リファレンス、ゴールド など)
      音の次元が違います。音場感に優れ、音質の3要素を備えています。
      オーケストラ、室内楽、ソロなど全てに対応して音場感も次元が違います。
      昇圧トランスを併用する場合は使うトランスで音質が大幅に変わりますので要注意。
      国産トランスは音場感が出にくく論外
      SPUクラシック以前のモデルはダンパーが硬化した物があり、要注意。

特性を重視した最近のモデルは押しなべて音が細く硬い。材質を変え計測器では達成できてもその高域が最も
重要な中域に悪影響しています。20,000Hz以上の音は不要。
国産で10万円を超えるものもありますが、特性重視で
音質の解釈が全く異なります。きれいな音ですが
重厚さが無く
感動がわきません

クラシックにおいては
オルトフォン(MC)を超えるものはありません
SPUゴールド以降のモデルの音は特性にこだわらず他に類を見ないほど音場感に優れたもので
’音質の3要素’も兼ね備えています。カートリッジの最高峰。   ’オルトフォンの音’を参照

オルトフォンのアームにオルトフォンのSPU、MC-20、30を付けて一度は聞きたいものです。
これは驚愕です
。ピアノの響きと弦楽器の絹のような肌触りは聴いた者にしか分からない悪魔の音です

2.ジャズ・ボーカル用
レコード録音の年代で再生方法が異なります。
50年代  :帯域:30〜15KHz,ダイナミックレンジ:60db、モノラル、初期ステレオが中心。
70年代以降:帯域:20〜20KHz,ダイナミックレンジ:98db、ステレオが中心。

年代の古いレコードと新しいレコードでは再生の仕方が異なるのが当たり前です。古いものは古いもので新しい
ものは新しいものでが鉄則。
50〜60年代のレコードでジャズ、ボーカルを鳴らすには当時の雰囲気を表現するのが大事です。
例えば当時の
ジュークボックスの再現。響きのある低重心で図太い音が周りに拡散していく様子が必要です。
これに該当するカートリッジは限定されます。
ジャズ、ボーカルでは1000〜6000Hz近辺の中域音の厚みが重要でこの厚みが音を前面に出し奥行き感
が出ます。特性がフラットなカートリッジでは音が痩せて聞こえ、必要な迫力が出ません。
  推奨のカートリッジは以下。

 
1)50〜60年代のジャズMONO盤、ステレオ盤  ’JBLの鳴らし方ブルーノートを聴く’を参照。
   ・GEバリレラ:RPX、シングルバトン、VRU(MONO針)、VR22(ステレオ針)。
   ・SHURE :M3D、M7D、M8D(ステレオ針)。 
   ・オルトフォン:CG(A)25D(MONO針)、SPU(ステレオ針)。
    SPUクラシック以前のモデルはダンパーが硬化した物があり、要注意。

   (1)GEバリレラ(MONO針、ステレオ針)
      50〜60年代のジャズ、ボーカルの再生でJBL/ALTEC等のジャズ用のスピーカーとは
      よく合います。
      GEバリレラ(MMモノラル)にはRPX、シングルバトン、VR2の3種類があり針の太さで
      音質が違います。針も0.7ミル、1ミルがあります。モデルの音質差はあまり無し。
      
いずれも針圧は5.0〜8.0g

      針が特殊なバリレラ構造。小編成のジャズで特にサックス、ペットの再生は素晴らしい。
      楽器の定位は明確でモノラルにもかかわらず音場感があります。音はクリアで厚みと響き
      あります。
GEバリレラVR22はステレオ針で音質はモノラルと全く同じ。

      前項シュア、SPUとは音の傾向が異なり音が前面に出てきて切れがあります。

      バックにオーケストラがあるボーカルは弦音が強く出てアンプによってはトーンコントロール
      
で高域を少し押さえる必要があります。
弦の再生が苦手で音場感が出ません

   (2)シュア M3D、M7D、M8D カートリッジ(ステレオ針)
      50〜60年代のジャズ、ボーカル(モノラル盤、ステレオ盤とも)
を再生するにはこれらの
      カートリッジは
JBL/ALTEC等ジャズ用のスピーカーとはよく合います
      
音の重心が低く中低域に特徴があります。当時の雰囲気をよく再現し、ボーカルやサックスなど
      はうっとりと聞き入るようでいつまでも聞いていたい気分になります。
通常のシステムには最適

      カーメン・マクレーのサティンドールではベースソロの弦のうなりが生のように聞こえてきます。
      最近の装置のような薄っぺらな音ではなく
音に厚みと温度があります。中域の押し出しと滑らか
      さは他のカートリッジにはないもの。
音が前面に出てきて当時のホットな雰囲気を再現します
      
楽器の定位も十分で音場感がある再生。サックス、ペット、ベースの再生は天下一品。

      V15シリーズとは対照的。
ジャズにはV15TypeVが定着しています。V15は特性が良く
      きれいな音ですがジャズのホットさが出ず、50年代の雰囲気は出ません。
      M3Dはクラシックにも合います。

      ・M3D('59年):帯域がフラットに近く、色付けのない音場感ある音質
      ・M7D('59年):中域に膨らみがあり音の厚みが増加。ジャズ、ボーカルには最適
      ・M8D('59年):M3DとM7Dの中間の音質。入手困難。
       
いずれも針圧は5.0〜8.0g

   (3)SPU:CG(A)25D、CG(A)25Di(MONO針)
      MONOカートリッジの中では最高峰。中でも初期型25Dは他を寄せ付けない音質。
      最近の装置のような薄っぺらな音ではなく音に厚みと温度があります。
      中域の押し出しと滑らかさは他のカートリッジにはないもの。
      
楽器の定位も十分で音場感がある再生。サックス、ペット、ベースの再生は天下一品。


   (4)SPU-マイスターなど(ステレオ針)
      SPUゴールド以降のモデル(マイスター、リファレンス、ゴールドなど)では
      ジャズでも
音の次元が違います。音場感に優れ、音質の3要素を備えています。
      小編成のジャズ、ビッグバンド、ボーカルなど全てに対応して
音場感も次元が違います

      昇圧トランスを併用する場合は使うトランスで音質が大幅に変わりますので要注意。
      
ハイグレードのシステムには必須のカートリッジ国産トランスは音質悪く不可
      
なお、録音の悪いレコードでは高域再生が悪く合わない場合があります。
      奥行き感ではGEバリレラとは音の傾向が違います。

   (5)その他のカートリッジ
      国産ではNEAT-VS600(田谷精機、ステレオ)がシュアM3Dに近い音ですが音が荒く
      比較になりません。’
音質の3要素’がありません。
      スタントン、エンパイア、グラド、ピッカリング、エラック、オルトフォン(MM)、他も
      上記にははるかに劣ります。

   (6)気分の変化への対応
      感覚的なものですがその時の心理で’少し締まった音(又は柔らかい音)が聴きたい’と言う
      気分にかられます。この時は対照的なカートリッジを持っていると対応できます。

 
2)70年代以降のジャズステレオ盤   ブルーノートを聴く’を参照。
   ’70年代以降になると高性能な録音、再生装置やデジタル録音の出現でレコードの概念が激変。
    高音質のレコードを再生するには前項のようなカートリッジでは十分な音質を確保できません
    前項のクラシック用のカートリッジに近い音が適しています。

   (1)
通常のシステム
     ・オルトフォン:SPU、MC-30、MC-20の後期型(S,Wなど)。Kontrapunkt-a,b,c
     ・SHURE :V15Type V(純正針)。交換針は音質不可。
     ・SHURE :M3D → SPUに似た音質。
SPUより安くお勧め
   (2)
ハイグレードのシステム
      SPUゴールド以降のモデル(マイスター、リファレンス、ゴールドなど)では
      ジャズでも
音の次元が違います。音場感に優れ、音質の3要素を備えています。
      小編成のジャズ、ビッグバンド、ボーカルなど全てに対応して音場感も次元が違います。
      昇圧トランスを併用する場合は使うトランスで音質が大幅に変わりますので要注意。
      ハイグレードのシステムには必須のカートリッジ。


   
システムによってはシュア M3D、M7D、M8D(ステレオ針)の方が合う場合が多々あります。
   カウントべーシーなどのビッグバンドの再生は小編成のジャズとは異なります。クラシックと同じ
   ホールでの残響がありこの再生に苦労します。弦楽器はなく、全てがブラス編成のため音の響きが
   全く違います。

 
3)ベースの弦のうなり再生
   小編成ジャズ(トリオ、カルテット、クインテット)でベースの再生音はソロを聴けば判りやすい。
   弦をはじいた時の弦のうなりが胴体で拡大され聞こえてきますが、その聞こえ方がカートリッジ
   によって違いがあります。
    使用したソース:カーメン・マクレーのサティンドール
    使用したSP :JBL 4301

    ・SPUリファレンス :95点。弦のうなりが明確でも少し軽い。MCの特徴。
    ・GEバリレラVR22:90点。弦のうなりに’ボンボン’音が少し乗る。
    ・シュアM3D、M7D:95点。最も生に近いうなりがする。’ボンボン’音はあまりない。
    ・シュアV15−U、V:90点。思いのほかうなりを忠実に再生。
    ・マイクロ M-2100:75点。うなりが少し軽い。国産の中では最もジャズ向き。
    ・デノン DLー103 :50点。うなりのようなものは聞こえるが、奥行き感がない。

3.情報の氾濫
オーディオ専門の雑誌などにある数多くの論評はメーカーの宣伝をそのまま掲載したもの、または売る
ための論評がほとんどで信用できません。データで高特性を謳ったものは特に注意が必要です。
特性が変わったものを聴くと先入観で音質が良くなったと思い込みます。しかし、10日ほど聞き込む
とほとんどのカートリッジは感動が消えて”?”になります。
すべてのオーディオ装置は'60〜'80年代の古いものがはるかに音質に優れています。
当時は設計者が自分の耳でくりかえし確認して試作を重ね商品開発したので、そこにメーカー固有の
音質が生まれています。プロやマニアが認めるところです。

4.針圧設定
カートリッジの針圧は型番で違いますが、その針圧で音が若干変化します。
    軽針圧:1.5〜2.0g(通常のカートリッジ)
    重針圧:3.0〜4.0g(オルトフォンSPU)
    重針圧:5.0〜8.0g(
モノラルカートリッジ、GEバリレラ、シュアM3D〜M8D

新品のうちは既定の範囲で問題ありませんが、20〜30年経過した古いものはダンパーに硬化が
見られ、針圧が軽いと音が割れる場合があります。基準より0.5g程度重くします