トーレンス・トーンアーム修理・オルトフォン・音工房
国産のオーディオ機器はシェル、アーム、プレーヤーその他アンプにしろ共振は音質を悪くすると
いう考えで共振を徹底的に排除する設計がなされています。アームは必然的にステンレスパイプを
使い重量が増して特性を重視するあまり本来必要な響きが無くなり画一的な無機質な音質となって
います。
この音に音質が良くなったと思い込みますが聞き込んでいくと響きがないのに気付きます。
一昔前の欧州のトーレンス、Linn、DUAL、米国のARなどの名機のプレーヤーの音が国産の物より
はるかに音質が良いのは何故か?その構造から国産の設計思想では説明がつきません。
1.国産アームとトーレンス、DUAL のアーム
前述したように国産アームは SAEC-407,CRAFT-3000、FR-64S に代表されるように
パイプにステンレスを使い軸受も緻密な構造を持ち徹底して共振を避ける構造になっています。
結果的に音質に差はなく硬く、細く、響きのない音となっています。
一方、トーレンスや DUAL の専用アームはアルミ素材で構造もシンプルそのもので共振
対策もなく少し心配になりますが響きが良く音質でも国産の物は足元にも及びません。
2.ステンレスパイプとアルミパイプ
FR-64S(ステンレスパイプ)と FR-64(アルミパイプ)とでは音質にかなりの差が
あります。前者は”カチッ”とした硬質の音でクラシック向き、後者は柔らかく奥行き感の
ある音でジャズ、ボーカル、クラシックどれでも合います。
国産アームはほとんどがステンレスパイプで海外のアームはアルミパイプです。
3.オルトフォンのアーム
RF-297、RMG-212、RS-212,SMG-212、AS-212 など古いタイプのオルトフォン
アームは最も音質が良いアームとして知られています。
素材はアルミでその構造は意に反して極めてシンプル。共振対策もなく特性とは無関係。
近年のオルトフォンアームは素材はステンレス。国産アームと同じ複雑な構造で音質は国産
とほぼ同じものとなっています。初期型のアームをお勧めします。
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