トーレンス,レコードプレーヤー
トーレンスレコードプレーヤー・トーンアーム修理・MCトランス・フォノカートリッジ・音工房

     トーレンスレコードプレーヤー           トーレンス,レコードプレーヤ

1.試聴比較のための装置
  試聴室のメインシステムを使用。

    ・スピーカー   : 
ALTEC 9862
    ・カートリッジ  : ORTOFON MC-30
    ・管球アンプ   : 
ALTEC 1567(プリ)、1570(パワー
    ・MCトランス  : DUKANE 3A25、ORTOFON T-100
    ・ライントランス : 
WE 4001、DUKANE 3A230

    ・フォノイコライザ: 
外付けマランツ7型
     比較試聴ソース : 
RCA Digital レコード ショパン ピアノソロ
     生演奏との比較 : 
ピアノの響き,アタック感,奥行き感,空気感,残響再生

    
音質を確認するには”ピアノソロ”が最も適しています。単一の音源で判断しやすいのと
    音の響きが確認できます。


    
・レコードプレーヤー: 過去 40 年間で 43機種試聴の中から 25機種を下記に記載。
    ・トーレンス(ベルトドライブ):  
TD-111、121、124、126、147、150、165
                      
318、320、2001
    ・Linn(ベルトドライブ):     
LP-12
    ・MICRO(ベルトドライブ):  
MR−611,411,322、211、
                       
BL-91、101、777
    ・GARRARD(アイドラー方式):
301、401
    ・DENON(DD方式):     
3000、6000
    ・YAMAHA(DD方式):    
GT-1000、2000
    ・Victor(DD方式):      
JL-B77、QL-7R

2.再生音の比較

  トーレンス、Linnの
10機種(ベルトドライブ)はほぼ同質の音で生演奏と比較しても遜色がない。
  強いて言えば、音が途切れるわずかな瞬間の静寂音、細部の音場感はトーレンスが優れています。
  小編成の
JAZZ ではバックのピアノやドラムの小音量が埋没することはなく明確に再生されます。
  
レコードに針を落とした瞬間に響きの違いがはっきりわかるほど。何故トーレンスは音質が良いか
  日本の技術志向では説明不可能
。’音の次元’が違います。

  トーレンスはアームとカートリッジで音が変わりますオルトフォン又はトーレンスのアームに
  オルトフォン
MC20,MC30 又はシュアV15 シリーズ、M3D をセットするのがベスト。
  ハイグレードのシステムには
SPU ゴールド以降が最も合います。

  ターンテーブル、モーター、アーム、ケースなど全てが日本製品の構造とは真逆の構造です。
  安価な
DUAL でも国産物よりはるかに響きが良い。
  海外製はほとんどがベルトドライブでDD方式が少ないのはこのためです。

  
GARRARD は音の重心が低く、線が太い音で響き、奥行き感が全く出ません。音場感はなし。
  英国BBC局用で使われていた歴史があり、これにあこがれてブランドで買うプレーヤーです。
  局用プレーヤーは音質が悪い電波で使用するので音質よりも耐久性と安定性に重きを置いています
  ショップが勧めるのは高価で利幅が大きいからです。トーレンスと聞き比べると一聴して判ります。
  
301と401 は構造は同じでデザインが異なるのみ。音質差はありません。

  国産の
DENON、YAMAHA、Victorの6機種は共通してDD方式の特徴であるきれいな音。
  音質は中高域に特徴があり、寒色系の音色となっています。小編成の
JAZZでも平面的で感動は
  全くなし
。構造はほぼ同じのため音質差はほとんどありません。

  
MICRO の7機種はベルトドライブ特有のトーレンス、Linn、と同系統の音。BLシリーズは
  構造上、若干固めの音でクラシックには合うがジャズのホットさが出ません。
MRシリーズは柔ら
  かく心地よい音。解像度はいまいちで物足りない。ゴムマットの交換は必須です。

3.認識の違い

  日本では’
オーディオ装置の共振は音質を損なう悪’という概念が定着しています。メーカーの宣伝
  や評論家の宣伝で納得しているわけです。極わずかな共振も計測器で検知し、これを無くす対策に追
  われています。
  プレーヤーでは構造は頑丈になり共振は減りますが一方で最も必要な
音の響き’が損なわれている
  
ことに無頓着になっています。メーカーでは数値で表示できる特性を重視して宣伝し表示出来ない響
  きは無視しています。
見た目頑丈なプレーヤーは避けた方が良さそうです。  

  
トーレンスの音質は聴いた人にしか分かりません。聴かなければ理解不可能です(使用者談)
  
GARRARD-301からトーレンスTD-124 へ乗り換える人はいますが、その逆はいません
  音質で選ぶかデザインで選ぶかの差です


     

  トーレンスは
レコードに針を落とした瞬間、音の違いが判ります。中高域は軽く柔らかく響き,低域
  は’もたつき’がありません。特に弦楽器とパーカッションの再生は他を寄せ付けません。
  また、
機種ごとの音質の違いはほとんど無く音の傾向は同じです。中低域の奥行き感に若干の違いが
  あります。トーレンスはトランスとカートリッジを選びますので選択には要注意。 


  
試聴室のメインシステムを使用。

    ・スピーカー   : 
ALTEC 9862
    ・カートリッジ  : ORTOFON SPU-REF.
    ・プレーヤー   : トーレンス TD-111
    ・管球アンプ   : 
ALTEC 1567(プリ)、1570(パワー
    ・MCトランス  : DUKANE 3A25
    ・ライントランス : 
WE 4001、DUKANE 3A80A、JENSEN
JT-MB-C
    ・フォノイコライザ: 
外付けマランツ7型
     試聴レコード  : 下記
は試聴室で試聴用のリファレンスとして使用しています。
                随時追加予定。
*印はデジタルレコード


  
1)リスト/ダンテ交響曲(蘭DECCADigital)*
    激しい出だしのフォルテッシモは音がダンゴにならず楽器それぞれの響きが押し寄せて来ます。
    コンサートホールの残響再生も申し分なく音場感ある豊かな音が広がります。
    Digitalレコード特有の歯切れの良さもあり、あいまいさが全くありません。

  
2)ショパン/ピアノ協奏曲1番(米RCAリビングステレオ)
    イントロのオーケストラが続く中でピアノが静かに立ち上がる様子はピアノの第1音がくっきり
    と浮き出て指のタッチが見えるようです。ピアノの定位が明確でオーケストラに飲み込まれる
    ことはなくピアノの響きが聞き取れて続いて行きます。ルービンスタインの名演奏。
    オーケストラのフォルテッシモの時もピアノが埋没することはありません。
    アナログレコードの良さが出ていて全体に柔らかい、響きのある音質となっています。

  
3)アルビノーニ/アダージオDENON-PCM Digital)*
    アルビノーニの曲の中ではもっとも有名な曲ですが、静かにスローテンポで情緒豊かに流れて
    いくオーケストラは最後まで弦楽器の響きがすばらしく、特にビオラ群とチェロ群の絹のよう
    な音は逸品。弦楽器群の音がダンゴにならず全ての楽器が聞き取れるようです。
    
Digitalレコードにしては全体に柔らかい、潤いある音質で人の感性に訴える音です。

  
4)バッハ/トッカータ&フーガDENON-PCM Digital)*
    バロックで有名なバッハのオルガンは重低音が破綻することなく音場感を持って響きます。
    通常オルガンのみの演奏では音場の広がりがあまり無く再生の仕方に工夫がいります。
    パイプオルガンの配置の広がりを利用して高、低域の強調、響きと残響再生で音場感を出す
    ことが出来ます。広がりを持って前面に飛び出してくる重低音が再生できるかどうか。

  
5)R・シュトラウス/ツアラトストラ(DENON-PCM Digital)*
    出だしで10秒間続く30Hzのオルガン重低音は普通のシステムでは再現出来ませんが地を這う
    ような音で迫ってきます。次に金管楽器の吹き出るような音は迫力満点。
    交響曲のような一定のリズムでない交響詩(poem )は再生の仕方によっては感動を覚える
    音出しが出来ます。

 
  
6)ビリーホリデイ/DAY-IN,DAY-OUT(米Verve
    ビリーホリデイのボーカル(ステレオ)は古い録音にもかかわらずギター,ピアノ,サックスと
    ドラムのブラシが明確に分離されて再生。ボーカルも埋没することなく飛び出します。定位が
    抜群
。右奥で演奏するドラムのブラシは奥行き感抜群でボーカルとの距離感が素晴らしい。
    アナログレコードの古さ(
1950年代録音)を全く感じさせません。

  7)イルカ/ボヘミアの森から(日クラウン 45回転LP) 
    曲全体が一つの物語になっていて出だしのオーケストラに次いで’語り’が出てくる場面では
    静かに淡々と展開します。次にイルカのボーカルが出た瞬間、そのリアルさに息を呑みます。
    口の大きさと息使いがリアルに伝わって来て、目の前で歌っているような錯覚に陥ります。
    聞き込んでいくうちにその物語に引き込まれボーカルのリアルさに感動。

  
8)カーメンマクレイ/サティンドール(米ATLANTIC
    それほど広くないステージで歌うカーメンと客席の息使いと拍手からその距離感が立体的に迫
    ってきます。音場感そのもの。客席とのやり取りは迫力満点です。
    バックのトリオ演奏がボーカルと距離を置いて埋没することはありません。典型的な空気感を
    ライブ全体で作っています。アナログ録音でもこれだけの音が出せることを証明しています。

  9)鈴木章治/鈴懸の径(日フィリップス)ジャズ
    1974年録音の代表的な和ジャズ。心地よい軽快なリズムの演奏はクラリネットが浮き出て
    きて特有の響きは温かみさえ感じます。若干録音の古さを感じ取れますが楽器の定位は明確で
    これがアナログの良さにつながっています。楽器の定位の重要性。
    リズムエースの編成はクラリネット、ギター、バイブ、ドラム、ピアノ、ベース。

  10フランクプゥルセル/ミスターロンリー(日東芝EMI)
    フランクプゥルセルの特徴はオーケストラにパーカッションを大胆に組み込んでいることです。
    ミスターロンリーは
1950年代にラジオ番組’ジェットストリーム’(JAL)のテーマ曲に
    使用され有名となった曲。ゆっくりと流れるテンポの中で大編成の弦楽器群が出す絹のような
    音はダンゴにならず全楽器が聞き取れるようです。パーカッションも明確に浮き出てきます。

 
11)リーモーガン/サイドワインダー(米ブルーノート)
    1963年録音の米ブルーノートのステレオ盤。ペット,サックス,ピアノ,ベース,ドラムの5人
    編成。リーモーガンのトランペットから始まりそれぞれのアドリブは明快で録音の古さを全く
    感じさせません。再生が難しいピアノの立体感とサックスの’ブリブリ’感は最近のDigital

    録音と同じです。ヒギンズのドラムのダンシングビートも目前の再現。