

B&W CM1スピーカーでの検証 →
検証装置:
スピーカー: B&W CM1
アンプ: SQ5B改
フォノイコ: マランツ#7型
プレーヤ: TD-206、FR24
CD: WADIA-6
カートリッジ: SPUマイスター
昇圧トランス: DUKANE3A25
ライントランス:WE-111C
1.レコードの場合
マッチ箱のような小型のスピーカーで楽器編成が多い交響曲やジャズボーカル
では音圧が上がると音場感がつぶれていたのがまともに聴けるように変化。
バイワイヤリングの効果は歴然としています。落ち着いた本来の音ですが
反面ジャズではパンチ力が弱くなる傾向があります。感覚の問題。
B&Wのスピーカーはバイワイヤリング前提で設計されているようです。
1)ダンテ交響曲(リスト)
音の見通しが格段に良くなり高域のざらつきが皆無。フォルテッシモで
音がダンゴ状態になっていたのが小型スピーカーでも音場感が大幅に出ます。
2)トッカータとフーガ(バッハ)
出だしのオルガンの高域は透明感が出て、続く低域が沈み込む様な迫力は
驚愕です。バイワイヤリングの効果は絶大でスピーカーが変わったような音。
3)ピアノ協奏曲1番(ショパン)
出だしのオーケストラは滑らかさが増してしばらくして入るピアノの第1音
はアタックが増しバックの演奏と明らかに分離。埋没することはない。
4)ボヘミアの森から(イルカ)
オーケストラの高域が滑らかになり、イルカのボーカルが前に出て奥行き感
が増加。出だしの’語り’も平面的でなくボ-カル同様奥行き感が出ます。
5)ジャズボーカル(ビング・クロスビー)
バックのオーケストラの’うるささ’と高域のざらつきが無くなり落ち着き
が出て、ボーカルも安心して聴けます。低域のふくらみが無くなり本来の
締まった低域。大人のジャズです。
6)ジャズカルテット(ソニーロリンズ)
全体的にすっきりとした音場空間。テナーサックスは明確で浮き出てきます
が音の厚みとパンチ力は弱くなる。各楽器の定位は向上します。
2.CDの場合
CDの欠点である高域が硬く痩せた音が強調されます。音の柔らかさが出てこない。レコードでは
中高域の見通しの良さが出て来ましたが、CDでは平面的になり音場感が無くなってしまいます。
低域も減少気味でアンプで低域を補強。
バイワイヤリングの効果は出ず、CDではジャンパー線の利用の方がはるかに良い。
ジャンパー線に戻すとレコードと同等の音質になります。 ’B&Wの鳴らし方’を参照。
CDとアンプとの相性もあるようです。
1)トッカータとフーガ(バッハ)
出だしのオルガンの高域は音が硬く続く低域の沈み込みは奥行き感が無く明らかにレコードとは
異なる音質でCD特有の硬さが表れてきます。
2)ピアノ協奏曲(グリーグ)
ピアノの音は明快で前面に出てきますが、オーケストラの演奏が始まるとピアノと同一面に展開
されて奥行き感が消えます。オーケストラが奥に行かない。
3)ジェームスボンドのテーマ(フランク・プルセル)
弦を含むフルバンドの演奏。ビオラの弦の柔らかさが特徴ですがこの柔らかさが全く出てこない。
全般的に音場感が無くCD特有の平面的な硬い音質。
4)ジャズボーカル(スリーディグリーズ)
3人のボーカルの分離が悪くダンゴ状態となります。聴いてても感動がわかない。
バックの演奏と同一面でボーカルが出て音場感がありません。ボーカルと演奏の分離がいまいち。
追記)
4トラックテープを音源とした廉価版CD(16ビット)は全般に上記のように音質が悪い。
Digital音源のCD、20ビット、24ビットのCDは音質が良い。レコードと同等。
ライントランスを追加するとCD特有の硬さが消えて音場感ある柔らかい音に変化。

ライントランス・トーレンスレコードプレーヤー・トーンアーム修理・MCトランス・フォノカートリッジ・音工房
B&Wに代表されるように近年のスピーカーはケーブルの接続端子が高域(+-)と低域(+-)にわかれていて通常は
ジャンパー線でつながれています。アンプからのケーブルは高域、低域どちらにつないでももOK。
バイワイヤリングではジャンパー線を外して高域と低域を分離し、それぞれにアンプからのケーブルを2重に配線します。
→ NET検索’バイワイヤリング接続’を参照。
スピーカーのウーハーの振動で生じる逆起電力がジャンパー線を経由してツイーターに流れて高域の音を濁します。
バイワイヤリング接続にするとウーハーの逆起電力がウーハー用のケーブルを通じてアンプに戻り、高域用ケーブルを
通じてツイターに流れます。この間の経路が長いため逆起電力は弱くなり高域への影響はなくなります。
これがバイワイヤリングの効果です。