1930~40 年代のウエスタンのトランスは音質が良いことで知られていますが、決して特性が良いわけではありません。
現在の巷の定義では周波数レンジとダイナミックレンジが広いことが音質が良いとされ、コアにはパーマロイコア、
線材は 7N,8N 無酸素銅とお決まりのスペックです。
これに比べ数段特性が悪いウエスタンの方が何故音質が良いのか。音質の定義が違います。
菅野製作所(株)がウエスタンの真空管アンプ類を分解してウエスタンのコア材を調べ上げ、そのコア材から音の原点が
パーマロイ・コアによることを発見したと言う逸話があります。トランスの線材にしてもしかり。
音質は特性ではなく材質であることの証明です。
ボーカルを聴いたときに声が前に出てバックが奥に展開されれば生を聴いているような音場感が出ます。これが音質です。
下図の’まんじゅう型’のトランスは 1910~30 年代の通信用のトランスでパーマロイコア以前の材質。
ラジオも電蓄もない時代のトランスが何故音質が良いのか。これは結果論です。
ライントランスで使ってみたら音質が良かった。試しに使ったのは 15年前。以降、試聴室では常設。
← 英国ウエスタン 4001
インピーダンス600Ω/600Ω
ライントランスの中では最高の音質。
音場感抜群。
米国ウエスタン 76A →
インピーダンス600Ω/600Ω
ライントランスの中では最高の音質。
4001 と酷似した音質。
77A と同質の音質。